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第17回雷写真コンテスト入賞作品発表

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第17回雷写真コンテストに多数のご応募をいただき、誠にありがとうございました。
日本各地・海外での撮影など、一瞬の煌めきを撮影された貴重な作品が多数あり、自然のエネルギーを強く感じました。
この度、審査員の厳正な審査の結果、入賞作品が決定いたしましたので、発表させていただきます。

入賞作品は下記リンクよりご覧いただけます。
https://www.otowadenki.co.jp/contest_category/num17/

審査員講評

 

審査員 東京大学 名誉教授、一般財団法人電力中央研究所 名誉研究アドバイザー 工学博士 石井 勝氏

今回は初めて、学術賞が出ませんでした。写真芸術には素人の私や横山先生が審査員に加わった一番の理由は、これまで画像ではほとんど観測されなかった、あるいは未知の新現象などが、多数の応募作品の中に見出せるのではないかという期待からでした。これまでの16回にわたって学術賞を選定でき、この期待を十分充たして下さった応募者の皆様に深く感謝申し上げます。回を重ね、流石にそのような作品を見出すのは困難になってきました。見た目が地味な、そのような作品がまだ埋もれているのではないかという望みはまだ捨てておりません。

 

審査員 静岡大学 工学部電気電子工学科 客員教授 工学博士 横山 茂氏

グランプリ作品「天空の鳥居」は、雷光、雷光に照らされる雲、地上の明かりの3つが見事に調和した、幻想的な素晴らしい作品です。銅賞の「天空の雷」は富士山と雷光の素晴らしいコラボです。北斎の浮世絵を思い出しました。佳作「白鷺の雷」も世界遺産の姫路城を、新しい構図でうかびあがらせています。今回のコンテストの応募作品は、以上をはじめとして雷の配置が巧みな美しい写真が多く、とても楽しく審査をさせていただきました。

 

審査員 特定非営利活動法人産学連携推進機構 理事長 妹尾 堅一郎氏

今年の応募写真にも、昨年同様、「雲」がよく撮れた写真が多かった。それにより「風景という背景」の中で、「雲という顔」が「カミナリという表情」を引き立たせ「写真表現」の深みが増した、と言えよう。これはもちろんデジタルカメラの進化によるところが大だが、今後の雷写真の撮り方にもさらに工夫が求められることを意味するだろう。すなわち、偶然とテクノロジーだけに頼るのではなく、偶然を取り込み、技術を使いこなす、周到な撮影意図と準備も必要だということだ。ただし、この指摘は、偶然だけで素晴らしい写真が撮れることも否定するものではない。

 

審査員 デザイナー 喜多俊之氏

第17回を迎えた雷写真コンテスト。回を重ねて、応募作品は綺麗に撮る作品からドラマティックな作品が多かった印象です。グランプリの『天空の鳥居』は、一瞬の出来事と思えない自然の演出の力が感じられました。金賞の『月夜に天の怒り』にも作品にかける作者の思いが溢れている様です。銅賞の『地震前日の洞爺湖』は、まるで予言でも物語る表題でした。写真それぞれに高いクオリティであることも、このコンテストの重要なテーマです。その他、多くの入選作品にも素晴らしい作品があって、審査に時間を要しました。

 

審査員 音羽電機工業株式会社 代表取締役社長 吉田 修

この三年間、雷発生は東日本に多く、東海、西日本地域が少ない傾向でした。その為か、関東、東北の方々にシャッターチャンスがあり、この地域からたくさんのご応募をいただきました。カメラレンズの品質向上が著しく、以前の雷写真と較べ、雷雲の様子が詳細に描写され、学術貢献にもなっています。2019年度は自然災害が多発、自然との共生について再考させられた一年でもありました。この雷写真コンテストを通じて、自然と共生することの大切さを学ばせていただいております。次回のご応募、よろしくお願いいたします。

 

後援 富士フイルム株式会社
公益社団法人日本写真協会会員 (富士フイルム株式会社OB) 山﨑 康生氏

入賞者の皆様おめでとうございます。デジタルカメラの高感度化により、光の少ない夜景などが撮り易くなりました。従来つぶれてしまった、雲のディテールや背景の描写が豊かに再現されるよに成りました。コンテストが定着してレベルの高い作品が多数寄せられ、その中で、全体のバランスが良い作品が選ばれました。自然科学写真の中でも、「雷写真」はまだまだ未開拓の分野です。天候が悪化しても撮影を中止せず、安全確保をされて、ダイナミックな自然現象「雷写真」に是非挑戦して下さい。傑作のご応募をお待ちしております。