迷走電流の測定・調査についての詳細をご説明します

接地コンサルティング

迷走電流の測定・調査

直流を使う電気鉄道の近傍では設備に電食を起こすことがあります。一定の条件の下で危険物の貯蔵タンクなどを設置する場合には迷走電流の測定が必要になります。

迷走電流とは

電気鉄道など直流電源を使用している場合、レールなどから漏れ電流が土壌中に流出し、その一部が近隣の埋設配管やタンクなどの施設に流入することがあります。この場合、流入電流が再び土壌中に流出する際、材料部分で短期的に激しい腐食が生じます。この漏れ電流を迷走電流、また材料の腐食現象を電食と定義されています。
漏れ電流と電食の仕組みを下図に示します。漏れ電流はレールに流れる帰線電流とレールの抵抗により車両と変電所間に電位差が生じることで発生します。

迷走電流と電食発生の仕組み

迷走電流と電食発生の仕組み

迷走電流の規制と測定の必要性

<法律名>消防法「危険物の規制に関する技術上の基準の細目を定める告示(昭和49年99号)」
「地下配管に設ける電気防食の施工に関する技術基準」

電気防食施工の適用範囲

危険物製造所等に設ける地下配管等で迷走電流により腐食するおそれのある埋設または大地に接して設置されるもの。

腐食するおそれのある場所とは

  • 電気鉄道のレールまたは変電所からほぼ1kmの範囲の場所
  • 直流電気設備(電気分解設備など)の周辺
適用条件
  • 大地抵抗率が2000Ω・cm未満(20Ωm未満)の場所
  • 迷走電流の測定結果、大地の電位勾配が約5mV/m以上の場所
測定機材

測定機材

測定

測定

測定結果

測定結果

以上のことより迷走電流と大地抵抗率の測定が必要となります。
腐食するおそれのある場所では、地下貯蔵タンクや地下配管では所定の防食処置が必要となります。