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第23回雷写真コンテスト入賞作品発表

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第23回雷写真コンテストに多数のご応募をいただき、誠にありがとうございました。
厳正な審査の結果、入賞作品が決定いたしましたので発表させていただきます。
多数の力作の中から選ばれた入賞作品を通じて、一瞬の煌めきである雷の美しさだけでなく、雷の脅威や自然のエネルギーを感じていただければ幸いに存じます。

入賞作品は下記リンクよりご覧いただけます。
https://www.otowadenki.co.jp/contest_category/num23/

審査員講評

 

審査員 東京大学 名誉教授 工学博士 石井 勝 氏

 
今回はグランプリ作品が選出されませんでしたが、審査員の好みが分かれたというところでしょうか。学術賞はbolt out of the blueという種類の落雷です。日本語では晴天の霹靂に相当します。ただ霹も靂も雷の音で、boltは電光ですので、表現には違いがありますね。青空からの電光といっても、受賞作品のように少し離れたところから見れば、雷雲から出現していることは一目瞭然なのですが、落雷点付近では頭上に青空が見えることと思います。第16回学術賞の落雷もこの仲間ですが、多地点から撮影された複数の写真がコンテストの場で会するという奇跡的なことが起こり、3次元的な形状も明らかになりました。雷放電は雷雲から出て3~4km水平に進み、そこから急に垂直下方に向かっていました。今回の学術賞作品も、その程度は雷雲から離れていそうです。雷鳴が聞こえる範囲は10km程度なのですが、学術賞のようなbolt out of the blueでは、落雷点付近から雷雲の中心部までの距離は10km近くあると思いますので、雷鳴が聞こえたら、頭上が青空でも警戒して適切な行動をとっていただきたいです。なお、雷雲のかなり上方から飛び出していますが、この積乱雲はまだanvil(かなとこ)ができておらず、発達途上で、放電が出てきた位置の高度は7km程度と思われ、夏の雷雲ではちょうど大量のマイナス電荷が蓄積される位置です。雷放電の形態からも、マイナス電荷の落雷とわかります。

 

審査員 大阪大学 教授 工学博士 牛尾 知雄 氏

 
入賞者の皆様、ご入選誠におめでとうございます。多くの応募作品がありましたが、そのどれもが大変美しい写真だったと思います。審査の際、多くの候補作品があり見入っている内に、時間の経過が早く感じられたほどです。中でも入選となった作品は、その芸術性や学術性のいずれかあるいは、いずれにおいても高く評価されているもので、例えば、雷雲の外に放電路が延びて落雷に至っているものや、雷雲へ再び入っていっているもの等、雷放電の研究が、このような写真を撮影することによって発展してきたという事実さえ、このような写真を見ることによって感じとることができました。さらに多くの応募を心よりお待ちしています。

 

審査員 NPO法人産学連携推進機構 理事長 妹尾 堅一郎 氏

 
人は雷をどうとらえるのだろうか。自然科学的には「解明と制御」、人文的には「怖れと恵み」、そしてビジネス的には「リスクとチャンス」…私が監修した『雷文化論』(慶應義塾大学出版会2007年)ではそのように論じた。これらの概念を体現・象徴する「雷写真」を期待したい。最近のSNS的な「映え(ルビ:ばえ)」より本質的な「見応え」のある写真だ。それは、かつて人々が百科事典的な知識に求めた「驚き・喜び・楽しみ」と同様の効果をもたらすものではなかろうか。ところで、これも私が監修した『かみなり』(ふしぎいっぱい写真絵本(39))(ポプラ社2022年)が、「図書館員がえらぶ選書センター大賞」の小学校部門第1位に選ばれた。「写真絵本」として、本写真コンテストの受賞作品の中から、まさに人々が雷に対して抱く「怖れと恵み」を表した見事な写真を使わせていただいた。この場を借りて関係者の皆様に御礼を申し上げると共に、今後多くのお子さんや親御さんへの啓発をご一緒いただけるようお願いしたい。

 

審査員 公益社団法人 日本写真協会会員 山﨑 康生 氏

 
入賞者の皆様おめでとうございます。「一期一会の決定的瞬間」全国各地からレベルの高い作品が数多く寄せられました。23回目を迎え、本コンテストが認知され定着した証しと推察しております。正に写真の醍醐味。主役の雷を中心に、脇役、背景などが計算され全体のバランスが良い作品が上位に選ばれました。ガラス板に感光材料を塗布した「写真誕生」から200年を経て、ロールフィルム、カラー写真、デジタル写真と進化を続け、今日さらにカメラの高感度化や画像処理技術が進み、光が少ない夜景など難しい状況でも、雲のディテールや街の灯りなどが撮り易く成りました。天と地の間で繰り広げられる、ダイナミックな自然現象「雷写真」に是非挑戦して下さい。「選ばれて生き残った写真は、やがて歴史の証言者となる」と云われております。皆さまの更なる傑作の応募をお待ちしております。

 

審査員 音羽電機工業株式会社 代表取締役会長 吉田 修

 
雷写真コンテストを終える度にほっと致します。今年はどれだけの応募があるだろうかと不安感と期待を併せ持ちます。雷を魅せる写真、写景にこだわる写真、これを背景にと思いを込めた写真、当初の偶然性の写真が減少する事に少し残念を覚えます。こだわりの雷写真は又、嬉しくなります。今年は創業80周年のコンテスト、全ての賞が選ばれ華を添えて戴ければ幸いです。

 

審査員 音羽電機工業株式会社 代表取締役社長 吉田 厚

 
今年も皆様からたくさんのご応募をいただき、誠に有り難うございました。応募いただく皆様の作品によって、本コンテストが継続できますこと感謝申し上げます。雷は一瞬の光と音ですが、各作品を見ると、雷の様子、力強さ感じることが出来ます。審査も非常に難しいものとなり、今回は残念ながらグランプリの選出には至りませんでしたが、学術的に評価された作品が昨年に続き選出されました。自然現象である雷の奥深さを感じる審査となりました。