用語集:雷一般

  1. 落雷(flash to earth)
    落雷とは、雷と大地の間に発生する1回以上の雷撃からなる大気の電気的な放電現象。夏季に発生する夏季雷は、雷雲から放電が始まる(下向き雷)場合がほとんどであるが、冬季の日本海側で発生する冬季雷では、地上の高構造物から放電が始まり、放電路が上方に枝分かれする(上向き雷)ことが多い。
  2. 先行放電(Leader)
    雷雲から大地に向かって進展する放電。このリーダは大地に向かって一気に放電するのではなく、数十から数百メートル進んでは一旦停止しながら階段的に進行して大地に至る。この状態をステップトリーダ(Stepped leader)という。
  3. 帰還雷撃(Return stroke)
    先行放電が大地と結合すると、形成された高導電性電路を通じて大地から雷雲に向かって大電流が流れる。この電流を帰還雷撃といい、この時大きな雷鳴と閃光が発生する。
  4. 多重雷(Multiple stroke)
    最初に形成された放電路に沿って2回以上の雷撃を繰り返す雷放電。1回目の雷放電を第1雷撃、2回目以降の雷放電を後続雷撃という。
  5. 雷撃点(Point of strike)
    雷撃が大地や建築物など又は雷保護システムと接触する点。落雷は2つ以上の雷撃点を持つことがある。
  6. 雷電流(Lightning current)
    雷撃点に流れる電流。JIS Z 9290-1では雷保護レベルを4段階に分類し、最大電流(200kA、150kA、100kA、100kA)、最小電流(3kA、5kA、10kA、16kA)とし、電流波形を10/350μsと規定している。
  7. 雷放電の電荷量(Electric charge of lightning discharge)
    雷放電の継続時間全域に対する雷電流の時間積分。JIS Z 9290-1では200kA(10/350μs)の電荷量を100クーロンとしている。
  8. 雷サージ(Surge)
    雷電磁インパルス(LEMP)によって発生する過渡的な過電圧及び/又は過電流。
  9. 雷過電圧(Lightning overvoltages)
    落雷によって電源線や通信線に発生する過電圧で、電線と大地間(コモンモード)や線間(ノーマルモード)に発生する。
  10. 直撃雷(Direct stroke)
    建築物や配電線などへ直接落ちる雷。
  11. 誘導雷(Induced overvoltages due to nearby stroke)
    近傍の樹木や建物に落雷した場合、雷放電路に流れる電流による電磁界の急変により、電線に発生する過電圧。
  12. 逆流雷(Backflow current)
    建築物への雷撃時に接地抵抗が十分低くない場合、電気機器を通して電源を供給している電源線や通信線へ雷撃電流の一部が流入すること。また、近傍への雷撃により接地電位が上昇し、接地線から建築物や設備に流入することを逆流雷と呼ぶ場合がある。
    逆流雷
  13. 逆フラッシオーバ(Back flashover)
    送電線などの鉄塔や架空地線へ落雷した場合に、接地抵抗や鉄塔のサージインピーダンスにより、鉄塔や架空地線の電位上昇が大きくなり、相導体へ逆に放電する現象。
  14. 年間落雷密度(Lightning Ground flash density)
    ある範囲への年間落雷数を示す場合に、落雷密度(回/km2/年)で表示する。年間雷雨日数(Td)と落雷密度(Ng)との間には相関関係はあまりないが、落雷密度を想定する関係式として、JIS C 60364-4-44(2011)では、Ng=0.1Tdの関係式が提示されている。
  15. 年間雷雨日数:IKL(Isokeraunic level)
    ある地域への落雷回数の概略を把握する場合に使用される。
    下図は1954〜1963年の10年間の観測結果の平均を示している。

年間雷雨日数