低電圧設備の耐雷対策-雷サージの侵入経路

1)雷サージの侵入経路

低電圧機器に雷サージが侵入する経路としては、図5のとおり次の4方向と、これらの複合経路と合わせ、計5通りの侵入経路が考えられます。

雷サージの侵入経路

(1)入力電源から侵入してくる雷サージ

高圧配電線に直撃または誘導された雷サージが柱上変圧器から低圧側に侵入する場合や、近傍落雷によって低圧配電線に誘導される場合、また、引込口附近に設置されている高圧アレスタの動作による大地上昇電位がB種接地側から低圧配電線に侵入する等の場合に、接続されている低電圧機器を破壊します。

(2)信号、計測、制御線から侵入してくる雷サージ

外部から引き込んでいる信号、計測、制御線の近傍で雷放電があると、これに雷サージが誘導されます。

また、屋外設置のセンサーや制御機器が雷撃を受けると、非常に大きな雷サージが信号線を伝わって低圧制御回路に飛び込み、低電圧機器を破壊します。

(3)雷(直撃雷、誘導雷)

建物の屋上にある避雷針、その他に襲雷があった時、雷サージ波頭部の進行に伴い高電位が進行波になって伝達されるので、僅かな時間であるが各階の間では大きな電位差が生じ、低電圧機器を破壊します。

また、隣接する建物の避雷針への落雷やその他の近傍落雷があった時、建物自身に誘導雷サージが発生し、これが配線にも誘導され、低電圧機器を破壊します。

(4)大地から侵入してくる雷サージ

建物に落雷したり、避雷針に大きな雷電流が流れて大地の電位が上昇すると、機器の電源電圧や信号電圧より大地の電位の方が高くなり、機器の接地線を伝わって、雷サージが低電圧機器の電源や信号線に侵入し、破壊します。

遠方に落雷した場合でも、地表面を雷電流が流れますので、同様に機器の接地を伝わって雷サージが侵入します。

2)雷サージの大きさ

低圧配電線路(100Vあるいは200V)で、昭和56〜62年の毎年7〜10月の襲雷期にサージカウンタ(雷電圧の動作電圧を定めて、その電圧範囲で動作回数を表示する装置)を用いて低圧配電線路の誘導雷電圧を実測したもので、その結果を図6に示します。

(今井他、「No.1221低圧配電線に発生する雷過電圧の観測」平成元年電気学会全国大会より)

線路-大地間で10kV以上の雷過電圧の発生が10%あります。低電圧機器の雷サージ耐電圧は0.6〜7kV程度、半導体回路そのものでは数10Vしか無く、雷サージは低電圧機器にとって非常に脅威です。

低圧配電線路の誘導電圧観測結果